2018/02/19 13:14


長年、美容師として多くのお客様と関わらせていただくうちに、ホームケアの限界を感じるようになりました。
ヘアデザインは、健康的な髪があって初めて映えます。
しかしながら、一月や二月に一度、サロンでトリートメントさせていただいても、家で髪を洗うたびに落としていってしまいます。
デリケートなダメージ毛ほどその落差は大きく、シャンプーによっては三日もあれば元の状態に戻してしまうほどに。

元々大手メーカーの超人気製品を取り扱っておりました(当時手に入るヘアケアの中では一番良かった)が、やはりその気持ちはぬぐいきれませんでした。

多くの人を介して流通するシャンプーだからこそ、なんだかんだ洗浄力が強く設計されているのです。


そんなに要らないのに。。。


使うほどに毛髪を補修するホームケアはないかと、
そんなヘアケアのイメージは頭の中にあるのに、製品にはたどり着けず、、、、、


世の中にないのなら、創ってしまえと。





どうしたらシャンプーを造ることができるのか。
そもそも何も知らないわけで、とりあえず「シャンプー」「オリジナル」とかでググってみるわけです。
ほいで上から順番に電話していく。
普通、小さな美容室がシャンプー造りたいなんて話を、工場は真面目に聴いてられるわけもなく、
(美容室からしてみれば大変な在庫だが、工場からしてみれば何もオイシクない小さな話)
化粧品メーカーでなく、美容室と聞いた時点で断られることがほとんどだった。
何社に電話したろうか、やっとのことで今回の工場に出会い、オリジナルシャンプーの製造を引き受けていただけることになった。
(のちに解ったことだけど、業界でも有名な技術力の高い工場だった)




ではどんなシャンプーを造ろうか。漠然と「補修するシャンプー」言ったって、髪質によって仕上がりも変わるし、好みだって違う。

でも自信だけはあった。十数年、美容師としてたくさんのシャンプーを使い、たくさんのお客様の髪を洗ってきた。
普通はキャリアを重ねるにつれシャンプーに入らなくなる美容師が多い中、個人的なこだわりがあり、今でも可能な限りかなりのお客様のシャンプーをしている。

僕の指先が一番わかってる。

指先の感覚を頼りにサンプリングがスタートした。




一回のサンプルでシャンプーとトリートメントを2、3種ずつ。

これは思い出すとキツイ(笑)製造元との感覚の食い違いだったり、思った方向にうまく進まなかったり。

フィードバックののち、次のサンプルが届くのは3週間後ぐらい。そもそも自分自身も何が正解なのかわからなくなったり。



3歩進んで2歩下がるとはまさにこういうことを言うのだろうな。。




補修成分を入れすぎると、極端に泡立ちが悪くなり、
洗浄成分を追加すると、指先の感覚が泡の「違和感」を感じ。


とにかく髪に、肌に、優しい洗浄成分にこだわった。


粘度を調整したり、成分を変更したり、配合量を調整したりとサンプリングは続いた。



そもそもシャンプーは『洗う』(落とす)ものであり、補修とは相反するわけだから世の中にないわけで。
なぜ企画時はあんなに自信満々だったのかと、、、。



当初完成まで半年ほどの目処だったのが、あっという間に一年が経った。。。。






かなりいいところまで来ているはずなのに、
あと一歩のところでたどり着けない。。





『J/standard』の工場には話していないが、実はその頃他の工場もたくさん探した。
工場により、得意な技術や雰囲気が違うようで、他で造る方が良いのではないかと。

一時期は4つの工場からサンプリングしてもらって。次から次へと上がってくるサンプルに頭の中は大混乱した。

自分で自分の首を締めた。





しかしたくさんの工場でサンプルしてもらって、はっきりした。




初めの工場は補修成分の『乳化技術』と配合バランスが抜群だった。



『J/standard』は特許技術を使用して多量のセラミド・コレステロールを髪に高浸透させることができる
かなり変わった造りとなっている。

他の工場では、何度やってもたどり着かない泡のきめ細やかさや、クリームの浸透力があった。



敏感に研ぎ澄まされた指先が良いと感じるものは、やはりこれだった。





微調整に微調整を重ねついに完成した。



『特許技術』×『指先の何万人にも及ぶ経験値』




とにかく泡が優しく、
シャンプーを流した時点で、すでにトリートメントしたかのごとく髪に栄養が詰まり、

さらにトリートメントを重ねると、クリームが自ら髪に浸透していくような感覚になるなめらさ。




洗い時、

すすぎ時、

ドライ時、

仕上がり。


滑らかで、しっとりと、何度も触りたくなる髪。ついにたどり着いた。





気づけば発売に至るまで二年の歳月が経っていた。

「洗い」と「補修」と「保湿」と。

洗いながら補修する。限界に挑戦した商品が完成しました。




第三者機関によって、使うほどに毛髪を補修するという試験結果を取得しています。
毎日使うほどに髪が強くなるという証です。

これは本当に品質の高いヘアケアにしか出せない証明です。